(2)「子どもの命を守る政策について」③「タブレット端末で自殺リスク発見を」/令和2(2020)年12月議会一般質問全文

次に、3つ目の質問です。子どもの自殺対策についてです。厚労省が発表した統計によりますと、小中学生と高校生の自殺者は今年4月から先月までに246人と、去年の同じ時期より58人、一昨年の同じ時期より42人多くなり、深刻になっています。こうした中、各地の医療機関などには、子どもの受診や相談が増えているそうです。私も市民の方から、心療内科の受診が増えているとの話を聞いています。

福岡市の全小中高でコロナ禍で不安や悩みを抱える児童生徒に寄り添うために、先生やスクールカウンセラーが児童生徒全員と面談する取り組みを行っていますが、これは今年の一斉休校が開けた夏頃からの子どもの自殺が確認されるようになったためです。死者数は例年10人ほどだそうですが、本年度は自死だけで「複数人が亡くなっている」そうです。福岡市教育委員会は、9月までに芸能人の死亡が相次いだことなどを受け、各学校長に聞き取り調査を実施し、複数の学校から「『死にたい』と口にしたり、連絡帳に書いたりする」などと子どもたちの心が不安定になっている現状が報告されたそうです。自死しようとして周囲に止められた子もおり、早急な対応が必要な児童生徒は数十人に上るとのことです。いじめや虐待などの原因も考えられますが、マスコミの自殺報道が増えているときには、注意が必要です。マスメディアの報道に影響されて自殺が増える現象をウェルテル効果と呼ばれますが、特に若年層が影響を受けやすいとされています。調査によると、自殺率は報道の後に上がり、その前には上がっておらず、自殺が大きく報道されればされるほど自殺率が上がるということが明らかになっており、非常に注意が必要です。

今述べたような、生徒との緊急面談などの同様の取り組みは筑紫野市でも行っていることかと思います。しかし、全国で、子どもと実際に面談をしている自治体の教諭などからは「子どもの心くみ取るのは難しい」といった声も出ていて、自殺のリスクのある子どもをどう見つけていくのかが課題となっています。

このような中で、子どもの自殺リスクを特別なソフトを入れたタブレット端末を使って見つけようという取り組みが始まっています。以下、報道を引用します。使われているのは、東京大学大学院教育学研究科の教授で、精神科医である佐々木司さんが開発した「精神不調アセスメントツール(RAMPS)」と呼ばれるソフトで、一昨年に完成してから、新潟県立高校10校での自殺リスクの発見の実績が認められ新潟県内全域に導入され、東京、茨城の高校など36校で使用されています。

使う場所は学校の保健室で、訪れた子どもにこのソフトが入ったタブレット端末を手渡し、まず、示される11の質問に答えていってもらいます。「食欲はあるか」などの比較的、答えやすい質問が徐々に「生きていても仕方がないと考えたことはあるか」とか、「自分で自分を傷つけたことはあるか」といった質問に変わっていきます。その後は、タブレット端末を返してもらった養護教諭が端末に示される質問を子どもにしていきます。内容は、最初に答えてもらった11問の回答結果に応じて変わっていき、例えば、「生きていても仕方がないと考えたことがある」と答えた子どもには、「死んでしまいたいと思ったり、眠ったまま二度と目が覚めなければいいと思ったことがあるか」とか、「死ぬ準備をしたり自殺しかけたりしたことがあるか」などとさらに踏み込んでいきます。

そして最後に、端末上に「自殺リスク」が3段階で示されます。質問は、精神科医が実際の診察の際に使う内容で、佐々木教授によると、このソフトを活用することで、踏み込みにくい質問でも気軽に話せる雰囲気を作れるほか、学校の先生の知識や経験にばらつきがあってもやり取りの質を担保できるとのことです。結果は、必要に応じて担任の先生や保護者、医療機関とも共有していて、すでに活用している学校では、「全く問題ない」と思われていた子どものリスクが明らかになったり、「なんとなく心配」と思われていた子どもが、実際には自殺の計画まで立てているほど深刻だったりするケースなどがあったということです。また、佐々木教授は、「自殺未遂をした」と自ら言ってくる子どもはなかなかいない。こちらが心配していることを示しながら話を聞き、情報をキャッチして、早い段階で対応する事がいちばん大事だ」と指摘していました。

私は、学校でタブレット端末を導入するこの機会にこのアプリを活用して子どものメンタルの問題を早期に発見する仕組みを構築するべきだと考えています。このアプリですが、研究段階の経費ですが、直接経費と間接経費を含めて約400万円ほどです。私は、たとえ、この10倍かかったとしても、自殺リスクの高い子どもを1人発見できれば十分に導入する意味があるのではないか思っています。

そこで、質問項目3、「タブレット端末で自殺リスク発見を」するべきではないでしょうか。市の現状も含めて執行部の見解を求めます。

健康福祉部長(答弁要旨)

次に、タブレット端末による自殺リスク発見についてですが、児童生徒の自殺予防に係る取り組みとして、子どもたちがいつでも相談しやすい関係づくりや相談体制の充実及び児童生徒のSOSのサインを教員が見逃さないための研修やリーフレットの配付による資質の向上などの取り組みを実施しているところです。自殺対策アプリの活用については、既に活用している学校等による効果の検証を見て、今後の参考とさせていただきます。

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