令和3(2021)年9月議会 一般質問①子どもの貧困対策について

質問題目1、「子どもの貧困対策について」です。
 まず、現状ですが、政府が2020年に発表した子どもの貧困率は13.5%にのぼり、子どもの7人に1人、約290万人が貧困状態にあると推計されています。


 貧困といっても様々ですが食事・衣服など生きる状態もままならない状態を「絶対的貧困」といい、貧しい途上国などがこの状態にありますが、「相対的貧困」とは、経済的理由でその国の大勢の人が持っているものを持っていない、体験に参加できないなどいわゆる「普通の生活」をおくることができない状況の事をいいます。絶対的貧困は視覚的に困窮状態を理解しやすい特徴がありますが、相対的貧困は社会一般や人と比較するため、明確ではない為、「見えない貧困」と言われています。


 そして、2019年改正の貧困対策法で、改正法では市町村に貧困対策の計画策定が努力義務化されました。また、子供の貧困対策に関する大綱も策定されました。


 その大綱の中では、「現在から将来にわたり、全ての子供たちが夢や希望を持てる社会を目指し、子育てや貧困を家庭のみの責任とせず、子供を第一に考えた支援を包括的・早期に実施する」ことを目的とし、基本的方針として、「①親の妊娠・出産期から子供の社会的自立までの切れ目のない支援、②支援が届かない又は届きにくい子供・家庭への配慮、③地方公共団体による取組の充実」を掲げました。


 令和3年4月21日時点で、県内では、福岡市、春日市、大野城市、筑前町などを始め24市町が計画を策定しています。
 そこで、質問項目1、法改正で策定が努力義務化された「子どもの貧困対策計画の策定状況」について、市内の子どもの貧困の状況も含めて執行部にお尋ねします。


次に、2つ目の項目です。
まず、現状ですが、私は市民の方から、「子どもの貧困の担当がいないのは何故か」と聞かれた事があります。
また、子どもの貧困対策は、所得の状況を把握する市民生活部の税務課や国保年金課、健康福祉部の子育て支援課や保護課など部をまたいだ連携が必要となってきます。そのため、自治体によっては、条例を制定して子どもの貧困対策部を設置し、部をまたいだ連携をするための担当を置いているところもあります。私が自費参加の勉強会で研修に行ったある東京の区では、現場経験のある職員を子どもの貧困対策担当として配置し、区の既存の政策パッケージを最大限活用し、行政が積極的に働きかける、いわゆるアウトリーチ型の支援を貧困家庭に行ったところ、子どもの貧困が改善したという効果があったそうです。筑紫野市でも同様の取り組みを行うべきではないでしょうか。


そこで、質問項目2、「子どもの貧困対策を所管する担当を設置すべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。


次に、3つ目の項目です。
まず、現状ですが、子どもの貧困対策に関する大綱の中で、生活困窮世帯等への学習支援として、「生活保護世帯の子供を含む生活困窮世帯の子供を対象に、生活困窮者自立支援法に基づき、子どもの学習・生活支援事業を実施し、学習支援や進路選択に関する相談等の支援を行う。」とあります。この事業は、すでに福岡県、そして17の市で実施されており、周辺では、春日市と朝倉市は直営、那珂川市はNPO法人ワーカーズコープに委託するという形で行われています。


次に、課題ですが、市内の生活保護世帯で、親は病気で働けず、子どもは小学校低学年から不登校で、適応指導教室にも通えず、当然フリースクールに通うお金もないので、高学年になっても家にずっと一人でいるケースもあるそうです。このようなケースでは、子どもの学習権が保障されていないともいえるので、どうにかならないものかと思います。今、一例を上げましたが、公立小中学校の不登校の生徒数から、フリースクールや適応指導教室に行っている児童の人数を引けば、地域には支援を受けられていない子どもがいることはわかるかと思います。以前、引きこもりの件について一般質問した時にも言いましたが、不登校から引きこもりになるケースもあるので、できるだけ早期の介入が必要です。


そこで、質問項目3、貧困の連鎖を断ち切るために「生活困窮者自立支援法に基づく子どもの学習支援事業を行うべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。


次に、4つ目の項目です。
まず、現状ですが、子どもの貧困対策に関する大綱の中で、平成29年の調査と少々古いですが、ひとり親世帯で食料を買えない経験があるのが34.9%、子どもがいる全世帯で見ると16.9%にものぼり、いわゆる絶対的貧困のレベルに陥りつつある世帯もあることがわかります。そして、コロナ禍でこの問題はさらに深刻化しているのが現状です。


令和3年3月に策定した第2期福岡県子どもの貧困対策推進計画では、令和2年10月~12月にかけて、筑紫地区の子ども食堂において、子ども食堂及びフードパントリーを利用した子どもへのアンケート調査が掲載されています。その中で、「自分の家にいるときが安心できない」、また、「自分の家以外に安心できる居場所がない」状況に置かれている子どもが一定数いることから、子どもが地域のなかで安心して過ごせる居場所を確保していく必要がある、とあります。最近は、子ども食堂の事を地域食堂と呼ぶ場合もあるそうなので、親や地域の人も参加することを想定して、今日の質問では子ども食堂ではなく地域食堂と言います。


筑紫野市でも地域食堂は行われていますが、市との連携は行われておらず、ボランティアの方の交通費等の補助もありません。まず、行政と連携から始め、交通費等の補助から始めるべきでなないでしょうか。単に子どもに食事を提供するだけでなく、子どもの居場所づくりとしても有益です。


また、私は、「子ども宅食」も導入するべきだと考えます。「子ども宅食」は、生活に余裕がない子育て世帯に食品を届ける取り組みです。例えば、東京都文京区で行われている「子ども宅食」は、児童扶養手当や就学援助を受けている世帯向けに、区に集まったふるさと納税の寄付金や食品メーカーの寄付を財源に、運送会社が配送するものです。これは、LINEで申し込みができるので、人目を気にする必要がありません。他の例では、NPO法人などの市民社会組織(CSO)を誘致している佐賀県では、ふるさと納税を活用し、使い道を県指定のCSOに限定でき事務経費5%を除いた95%がCSOに入るという仕組みで、ふるさと納税を使って活動資金を集めて「子ども宅食」を行っています。いわゆるガバメントクラウドファンディング型ふるさと納税です。
また、私はコロナ禍で給食がなくなった子ども達のために地域の飲食店を「地域食堂化」する茨城県境町の取り組みを行うべきだと考えます。ふるさと納税で募った寄付金を原資に、離れたところにいる人に食事をごちそうできる「ごちめし」というスマートフォンアプリを活用し、情報を得た子ども達が無料で500円相当のテイクアウト弁当を食べられるという仕組みです。これは、子育て家庭と地域の飲食店の双方を同時に支援できる「境町モデル」とも呼ばれている画期的な取り組みです。


そこで、質問項目4、今述べたような形で「子ども宅食・地域食堂の支援をすべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。

【答弁要旨】(答弁者:健康福祉部長)
第1項目から第3項目は関連がありますので、一括して答弁いたします。
子どもの貧困状況については、生活保護、就学援助の状況から、厳しい状況であると認識しており、地域福祉計画を始めとする各種計画の貧困対策の推進と連携を充実させるため、令和2年度に「筑紫野市地域福祉計画等推進庁内委員会」の下部組織として、子どもの貧困対策専門部会を設置し、2回の会議を行いました。生活困窮者自立支援事業を実施している保護課を所管課として、子育て支援課や学校教育課など、関係課との情報共有や連携を密にした相談支援体制を構築しています。


生活困窮者自立支援法に基づく学習支援についてですが、対象者を生活困窮世帯に限定し実施するには、人権的配慮や交通手段の確保など、課題を解決していく必要があります。


このようなことから、子どもの貧困対策推進計画の策定及び学習支援などの対策事業につきましては、専門部会において情報収集や課題の把握を行い、効果的な事業の推進について研究をしてまいります。

次に、子どもの宅食・地域食堂への支援についてですが、地域や団体が地域食堂を運営し、地域の居場所づくりの一翼を担っていることは認識しております。行政による支援につきましては、子ども宅食と併せて、専門部会において先進事例を調査してまいります。

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