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筑紫野市長選挙2023における段下季一郎の対応について
1.立憲民主党第5区総支部の自主投票について
まず、立憲民主党福岡第5区総支部は筑紫野市長選において、元議員等含めて、可能な限り独自候補を擁立する努力をしました。しかし、候補者を擁立する事ができませんでした。
この点については、支援して下さっている皆様に対して心苦しい気持ちです。力不足で申し訳ありません。
また、「段下立て」と言って下さった方もいましたが、私を一番よく知る師匠の辻本美恵子市議や堤かなめ衆議院議員いわく、私は1期目で「認知度や経験はまだまだ」という評価です。コロナ後遺症治療もしており体調も万全でなくとても無理な状況です。
今回、立憲民主党の支持組織である働く仲間の集まり、労働組合の「連合福岡筑紫・朝倉地協」は、平井一三候補を推薦することになりました。そして、立憲民主党は、私と他の県議や市議と対応が分かれ、自主投票となりました。
私は、熟慮の結果、今回は党派を超えて、個人として平井一三候補を支持します。
平井さんは、後述の「福祉や教育の政策の遅れ」について、私の話に真摯に丁寧に耳を傾けてくださいました。そして、福祉と教育を最重点政策として、政策の遅れを取り戻し「子育て支援」、「スポーツによる健康づくり」、「環境」に力を入れると言われました。以上が支持する理由です。
2.ふじた陽三市長不信任の理由について
(1)福祉や教育の政策の遅れ
ふじた陽三市長(80歳、2月で81歳)になってから、周辺市で当たり前に行われている事業が行われておらず、遅れており、「福祉や教育の政策の遅れ」は深刻です。
例えば、待機児童、母子保健アプリ(未導入)、産後ケア(8年遅れ)、アピアランスケア(がん患者の外見ケア)、小中学校のタブレット授業(ICT支援員不足や学習支援アプリがない)、不登校支援、生活困窮家庭の子どもの学習支援(未実施)、引きこもり支援(10年遅れ)、コミセンごとに「地域支え合い推進員」がいない、24時間「定期巡回・随時対応型訪問介護・看護事業」を募集しても応募する事業者がいない、災害時の避難計画の策定やインフラ整備の遅れなど気づいただけで10以上の事業が行われていなかったり、遅れていたりします。新人議員である私が気付くぐらいなので、職員はそれ以上だと考えられます。
(2)市民の意見を聴かない
また、市長は市内約100ヶ所以上で行った移動市長室の多くで、市民から事前に受け付けた質問以外は受け付けない、当日決められた質問のやり取り以外の対応をしないなど、極めて強権的です。参加した市民の方から「やらせじゃないか」とたくさんの苦情の声が私に寄せられました。
(3)創造的な労働環境の整備ができていない
労働環境の整備も必要です。2019年9月議会の総務市民常任委員会でも指摘しましたが、職員のメンタルヘルス予防のため、産業医の安全衛生委員会の出席や自殺に特化した対策はしておらず、市からは「職員が自殺した前提での話は難しい。産業医と時間を合わせて会議を行いたい。」との回答があっています。産業医の面接指導等も不十分だったため、対策が必要です。うつ病の職員は毎年10名程度発生、産休・育休で抜ける職員の穴埋めが足りないので50〜60名少ない人数で市役所業務が回らないため、福祉や教育の遅れなど市民にしわ寄せがいっているのが現状です。やっと最近中途採用で人員を数名確保したばかりです。

そもそも、市民の意見を聞かない市長が、職員の意見を聞くでしょうか?市政の停滞は深刻です。
(4)支持者からの声
私は、2019年統一地方選時の街頭演説も、「上からの権力的で、市民の声を聞かない市政が行われている。市民の声に基づくまっとうな政治に転換する」と訴えてたので、私はふじた陽三市長不信任でブレずに一貫しています。支援者の方の多くもふじた陽三市長を支持していません。
このような現状を知りながら、ふじた陽三市長を支持することは、私を応援してくださった市民の方への重大な裏切りだと私は考えます。したがって、私は、ふじた陽三市長は支持しません。不信任です。今期をもって引退するべきだと考えます。今期でふじた陽三市長は引退すると見ていたので、直接的な批判は控え、政策提案に努めていました。
3.その他候補(泡沫)について
もう1人、過去に民主党を除籍され、最近つばさの党(党代表がNHK党幹事長で、諸派党構想でNHK党と連携)を離党した「浜武しんいち」氏が立候補してますが、論外です。そのような党に所属していた人は市政について真剣に考えていないと言わざるを得ず、絶対に投票してはいけません。
「職員の勉強が足りない」など上から目線の発言はネット記事等で報道されていますが、職員の専門性は高いですし、「現場の意見を市長が聞いてくれないのが問題である」ということを理解していません。氏はYouTube の立候補会見でマスコミの方からも言われていましたが、「何を言っているのかわからない」と言われるような人です。同僚議員や職員の評価も似たようなものです。
また、「御笠自治会バスでオンデマンド型が行われている」との事実誤認のチラシや、フィンランドを参考にすると言いながら「20人の少人数学級」を否定する論理矛盾を初め、市の課題について、基本的な事実認識に誤りが多くあり、その対策も的外れで、およそ市政を任せられないのは明らかです。
私は高校時代、氏の経営する塾の元生徒で、20代半ばまでの10年程度氏の政治活動を見てきましたが、政策・人柄共に全く支持することはできません。若かったとはいえ、氏を支持していたことは人生の汚点で恥ずかしい限りです。
4.最後に
今回の筑紫野市長選挙は、「筑紫野市の10年後の未来を決める」選挙です。福祉や教育の遅れを取り戻す、市政を変える新しいリーダーが必要です。
今回は、「ふじた陽三」候補と「平井一三」候補の事実上の一騎討ちです。地方自治体の課題は、党派は関係がありません。党派を超えて、一致団結して反・ふじた陽三市長でたたかわなければなりません。
投票は「ベター(より良い)」な選択をし、「ワースト(最悪)」を避けなければなりません。
私は、今回は、福祉や教育を最重点政策としている「平井一三」候補を個人として支持します。これからも非自民の立場は変わりませんが、「福祉のまち、筑紫野」を実現するべく、ブレずに筋を通し、選挙結果にかかわらず是々非々で市長には臨みます。
筑紫野市の有権者の皆さま、投票に行きましょう。筑紫野市を変えるのはあなたです。
以上
令和3(2021)年12月議会 一般質問②ヤングケアラー支援について
質問題目2、「ヤングケアラー支援について」です。
まず、ヤングケアラーとは、家族や子供の介護を担う18歳未満の子どもの事をさすのは皆さんご承知の通りかと思います。9月議会で公明党筑紫野市議団の坂口議員の質問に対する答弁であったように、「実態把握が非常に困難な状況」とありましたが、先進自治体では、配布したタブレット端末を活用してアンケート調査を行い、ヤングケアラーの実態把握に努めている自治体もあります。Googleフォームを活用すれば、自動的に集計されるので、教職員の負担はそこまで大きいものにはなりません。また、ヤングケアラー相談支援の窓口を設置し、電話やSNSで相談にのっている自治体もあります。わが市においては、ヤングテレフォンを活用する事が考えられますが、決算認定資料から、10歳未満、10代の利用率が低迷していることを考えると、メール相談はすでに行っているので、LINEなどのSNS相談を行うべきではないでしょうか。
また、「疑わしい事案等があった場合には、速やかに行政、学校、地域などの関係機関で構成する市要保護児童対策地域協議会でケース会議等を開催し、解決に向けて必要な支援を行っていく」とのことですが、市民の方から、「市内には現在のところ約10名のヤングケアラーがいると聞いているので、ぜひこの問題を次の議会で取り上げてほしい。」とのご意見を頂きました。この約10名に対して、具体的な支援の内容、既存の介護保険や障害福祉サービスを活用して、行政から働きかける、いわゆるアウトリーチ型、伴走型の支援を行い、状況は改善したのでしょうか。また、現状の制度で、不十分な点があるなら、理念条例ではなく、具体的な予算措置を伴う「ヤングケアラー支援条例」を制定して、群馬県高崎市で行われている、ヤングケアラーを支援するために家事や介護を担うヘルパーを無料で派遣する「ヤングケアラーSOS制度」のような事業を行うべきではないでしょうか。
そこで、質問項目1、今述べたような形で支援を行うために、「ヤングケアラー支援条例を制定すべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
答弁(健康福祉部長)
ヤングケアラー支援条例の制定についてですが、本市では、子どもの権利を尊重し、子どもの育ちと親の子育てを支援するまちづくりを定めた筑紫野市子ども条例がございます。ヤングケアラーについても本条例に含まれていると捉えており、今後も趣旨を踏まえて事業の拡充を図ってまいります。
なお、早期発見・把握の一環として市要保護児童対策地域協議会を定期的に開催し、課題ごとに関係機関と連携し、既存サービスなども活用しながら支援に努めております。また、ヤングケアラーの社会的認知度は低く、表面化しづらい側面もあることから、今後は、市内公共機関や医療・保育・教育機関へポスター掲示など周知啓発に注力し、身近な大人からの相談が増えるよう、意識の醸成に努めてまいります。
令和3(2021)年12月議会 一般質問①市内全小中学校でのタブレット学習について
質問題目1、「市内全小中学校でのタブレット学習について」です。
9月の決算審査特別委員会で、タブレットが壊れた際などの予備がない件、そしてWEBカメラがついていないなどパソコンの性能の件について指摘したところ、今議会の補正予算で予算がついていましたので、一歩前進という事で、担当職員の方の努力の結果ですので、よかったなあと思うところです。今回、中学校は5校中4校、小学校は11校中7校でアンケート調査を行いましたので、それを元に質問を行います。
さて、現状についてですが、決算審査特別委員会で、執行部から実施計画がまだないとの答弁がありました。そこで、質問項目1、「実施計画の策定の現状」についてお尋ねします。
次に、現場の声として、「学校でのWi-Fi環境が不十分」との声があります。例えば、タブレットを30~40台インターネットに接続させると、つながらない機器が数台は出てくるそうです。同時に行えるのも2クラスが限界だそうです。このような、当初予期してなかった事態が起きています。早急に改善するべきではないでしょうか。そこで、質問項目2、追加で予算措置をして光回線の工事や無線LANルーターを導入、ポケットWi-Fiを活用するなど、「学校でのWi-Fi環境を充実させるべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
次に、「教職員に対する研修が不十分」との声を聴いています。タブレットを実際に使いながらの研修などが不足しており、講師は学校内の教職員が行っているのが、小学校7校、中学校4校となっており、現場の負担はとても重いものとなっています。リモートなど外部講師を活用しているのは中学校2校にとどまっています。先進自治体では、教員用の専用サイトを開設し、授業の導入部分、教員と子ども達の会話や会議、電子黒板などを組み合わせた授業の動画を共有できるようにし、パソコンやタブレット端末の使い方や電子黒板と連動させた指導法、グループ討議と組み合わせたICT教育に関する授業ノウハウを共有しているそうです。また、周辺4市では、後で述べるICT支援員が教職員への研修を行っている自治体もあります。
そこで質問項目3、「教員への研修が不足しているため充実するべき」ではないでしょうか。執行部の見解をお尋ねします。
次に、多くの保護者の方から、「ICT支援員を配置するべき」との声を聴いています。周辺4市は全てICT支援員を配置しています。ちなみに、文科省の資料には「ICT支援員は不可欠な存在」と書いています。しかし、市内ではICT支援員がいないため、教員の負担が増えています。例えば、セキュリティやソフトの更新一つにしても、校内の担任が対応している小学校が3校、中学校が1校、教務主任が担当している中学校1校、教頭と教務主任で行っているのが1校となっており、疲弊している現場の負担がさらに増えています。
周辺4市における状況を言いますと、まず、春日市は、ICT支援員3名配置で、NTT西日本に業務委託して派遣してもらっています。先生にはタブレット授業についての研修代わりとして、OJTのような形、実際の職務現場において、業務を通した教育訓練を行っています。ICT支援員が生徒にも使い方など指導をしているそうです。
大野城市については、毎月1校に月2回、日興通信に業務委託して派遣してもらう形です。ICT機器の研修、ICT授業の在り方について、教職員から相談を受け、授業のやり方を提案することも行っているそうです。現場の声として、「ICT支援員のサポートなど助かっている」とのことです。現在持ち帰り授業は行っていないですが、休校時に、オンライン授業、録画を活用した授業も行っているそうです。ちなみに、筑紫野市と同じタブレットの機種を使用しているそうです。
那珂川市はICT支援員は各学校に月5回、ベネッセに委託する形で行っており、教職員の研修、教職員の相談に乗って教材づくりや授業サポート、タブレット使用が不得意な子どもへの支援を行っています。
太宰府市は11校すべてに1校1名ICT支援員が配置されており、支援員は学校に毎日来ます。学映システムに委託し、授業のサポート、校内でネットワーク障がいが起きた時の橋渡し役、事前準備の手伝いなどを行っているそうです。
「ICT支援員の人材が不足している」との話も聞きますが、外部委託して派遣する形をとっていますので、人材確保は可能なのではないでしょうか。
そこで、質問項目4、「ICT支援員を早期に配置すべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
次に、この前の筑紫野市総合教育会議で、タブレット授業の中身についての紹介がありましたが、プログラミング、美術や体育、生徒会長選挙や修学旅行など、Wi-Fi環境が悪いのと、主要5科目を教える体制が整ってないので、苦肉の策として、写真や動画を使用したものが多い印象を受けました。当たり前のことは承知のうえで、あえて聞いていますが、タブレット授業はやはり、国語、算数や数学、理科、社会、英語などの主要5科目について授業ができる体制整備こそが重要だと考えます。そこで、質問項目5、「主要5教科のタブレット授業を充実すべき」ではないでしょうか。執行部の見解をお尋ねします。
次に、タブレット授業での教材の件です。現状ですが、教材に対する予算が不十分でPTAが負担したという話もあります。そこで、一つ取り組み事例を紹介しますと、先日の教育会議でもありましたが、適応型学習、いわゆるアダプティブラーニングを実践できるAIドリルというものがあります。これはベネッセコーポレーションのソフトで、個人の学習履歴を蓄積できる特徴があり、個人の理解度や学習ペースに応じて知識の定着を図れるというドリルで、他にも授業時間に子どもが自分の考えをまとめたり共有できたりするそうです。その他にも、予備校と提携している自治体もあります。
私は、やはり知識を得るための導入の授業動画や習熟度をチェックするためのAIドリル、問題集の解説動画などにはタブレット端末の活用は向きますが、問題演習や小テストについてはやはり手を動かして覚えたりする必要があり、紙の教科書や問題集の方が記憶に残りやすいという研究もあるので、必要に応じて使い分ける必要があると考えています。
そこで、質問項目6、今行われている紙での教科書や問題集など良いものは残しつつ使い分けを行い、一方でタブレット端末を活用した「適応型学習(アダプティブラーニング)を導入すべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
次に、現状ですが、家庭での通信環境が異なるため、アンケート調査を行い、必要な家庭にはポケットWi-Fiを貸し出すために準備をしていると聞いています。しかし、家庭でのオンライン学習で当初予期していない事態が出てきています。学校のタブレット端末の充電保管庫の充電器が固定されている小学校が5校、中学校が3校、充電器は状況に応じて外せるのが小学校2校、中学校1校となっています。これは決算審査特別委員会で私が質問した時は、充電器は取り外せてタブレットと共に持って帰られるとの答弁でしたが、現場の声と違うので、取り外し方法もわからないほど研修が不足しているのか、それとも本当に取り外せないのか、文教福祉常任委員会の所管事務報告で上げていただきたいと思います。また、タブレットと同時に充電器を持ち帰えらせている小学校が3校、中学校が1校、持ち帰りできない小学校が4校、中学校が3校となっています。
プリンタなどがない家庭については宿題プリントの印刷をどうするのか、など問題は多岐にわたったと聞いています。これらはやってみないとわからないことです。
また、不登校の子どもがリアルタイムで家庭学習できるようにするには、ネット中継ができるようなビデオカメラや、三脚、マイクなども整備する必要があるかと思います。学力保障の一環として、不登校児童生徒へのタブレット端末の貸し出しを行っている小学校が2校、中学校が1校となっていますが、申請してきた児童生徒のみとなっており、現在では内容が不十分なため、行われていないそうです。私が不登校児童を抱える保護者と児童に聞き取りをしたところ、「タブレット端末を活用して学習をさせたい」という親の強いニーズがあり、不登校の児童からは「学校に行こうとすると身体が動かない。タブレット端末を通して学校と繋がっている感じがするから早く使ってみたい」という意見もあります。
そして、コロナ感染の不安や、不登校の子どもが授業を受けた場合は、文科省の通知で、義務教育段階における登校の取扱いに関するフローチャートという資料でも出ていますが、どのような場合に出席扱いをするのかということを改めて基準を保護者にも示し、オンライン授業に出席した場合は出席扱いすると明言するべきではないでしょうか。そこで、質問項目7、今述べたような形で、「不登校児童を含めた家庭でのオンライン学習の体制整備を充実すべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
次に、現状ですが、報道であるように、子どもがSNSで犯罪に巻き込まれるケースが後を絶ちません。誘拐や性犯罪の被害、いじめの発生など様々な問題が発生しています。そこで、質問項目8、「タブレットへのフィルタリングやSNSに関する防犯教育を充実すべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
答弁:(教育部長)
初めに、実施計画についてですが、ICT活用推進に係る計画について、現在検討しております。 次に、Wi-Fi環境については、国の設置基準に沿っておりますが、国において通信環境を改善するために、点検、把握する方向で検討を始めておりますので、動向を注視してまいります。
次に、教員の研修についてですが、教員の過度な負担とならないよう配慮しながらICT担当教員を中心に各種研修に参加し指導力の向上に努めていただいています。
次に、ICT支援員については、本市では、学校と連携しながら教育委員会の職員で支援を行っていますが、今後も他市の状況を調査しながら、本市の状況に応じた方法を工夫してまいります。
次に、主要5教科の充実についてですが、均しく全教科で使用していく方針で進めております。
次に、適応型学習については、文部科学省も推進していますので、今後の研究課題と認識しています。
次に、オンライン学習の体制整備については、引き続き進めてまいりますが、不登校の児童生徒への対応については、個別の事情に即した協議を行い、実施できる体制が整い次第、対応を行うこととしております。
次に、フィルタリングについては、導入時に対応しており、SNSに関する防犯教育については、通常の授業において、機会を捉え学習するとともに、外部講師による学習会などを通じて実施しておりますので、今後も引き続き情報モラル教育の推進に努めてまいります。
令和3(2021)年9月議会 一般質問②インクルーシブ公園の整備について
質問題目2、「インクルーシブ公園の整備について」です。
まず、現状ですが、私は、放課後等デイサービスや児童発達支援の事業所に通う障がいを持つ子どもを抱える保護者の方から、「地域の公園が使いづらい」という声を聴いています。また、2020年に「一般社団法人TOKYO PLAY」と「公益財団法人 京都公園協会」の聞き取り調査によると、障がいのある子どもの親の多くが「公園に行きにくい」と回答し、家族に障がい者がいない人のうち7割が「障がい者と関わる機会がない」「どう接していいかわからない」と回答しています。
この問題を解決するのが、今注目されている「インクルーシブ公園」です。インクルーシブとは、「全てを含んだ」という意味で、インクルーシブ公園とは障がいを持つ子どもが他の子どもと一緒に楽しめる遊具のある公園で、1990年代以降に欧米で広がったものです。しかし、日本のほとんどの公園は障がいのない子ども向けに設計されているのが現状です。
例えば、東京都豊島(としま)区が2020年9月に設置した「としまキッズパーク」では、大人が抱っこして滑ることのできる幅広の滑り台や、台の上に砂が置かれ、車いすに乗ったまま遊ぶことができる砂場などがあります。ミニSLも乗り降りしやすいよう工夫されています。地面はウッドデッキで車いすでも動き回りやすいです。保護者の方からも「他の子どもと手を振りあって交流することができた」と好評だそうです。インクルーシブ公園用の遊具の開発に力を入れるメーカーも出てきており、安全性も高いそうです。
私は、公共施設のバリアフリー化を含め、インクルーシブ公園の整備にあたっては、自治体、障がいのある子ども・保護者の意見、地域住民、経験のある一級建築士や公園設計等の専門家が計画段階からバリアフリー検討委員会を設置して協議することが望ましい、と考えています。まずはできること、例えば、費用はかかりますが、公園の地面をゴムチップに変えるなど着実にできることから始めていくべきです。
あらゆる人にとって、安全性が高く使いやすい公園は、市の進めるSDGsの取り組みにも資するものです。
そこで、質問項目1、「インクルーシブ公園を整備すべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。
【答弁要旨】(答弁者:建設部長)
インクルーシブ公園の整備についてですが、本市の公園におきましては、使いやすさや安全性の向上を図るために、子どもの対象年齢層別の遊具の設置や園路のバリアフリー化に取り組んでおります。今後も地域住民や利用者の意見を聞きながら公園の整備に努めてまいります。
令和3(2021)年9月議会 一般質問①子どもの貧困対策について
質問題目1、「子どもの貧困対策について」です。
まず、現状ですが、政府が2020年に発表した子どもの貧困率は13.5%にのぼり、子どもの7人に1人、約290万人が貧困状態にあると推計されています。
貧困といっても様々ですが食事・衣服など生きる状態もままならない状態を「絶対的貧困」といい、貧しい途上国などがこの状態にありますが、「相対的貧困」とは、経済的理由でその国の大勢の人が持っているものを持っていない、体験に参加できないなどいわゆる「普通の生活」をおくることができない状況の事をいいます。絶対的貧困は視覚的に困窮状態を理解しやすい特徴がありますが、相対的貧困は社会一般や人と比較するため、明確ではない為、「見えない貧困」と言われています。
そして、2019年改正の貧困対策法で、改正法では市町村に貧困対策の計画策定が努力義務化されました。また、子供の貧困対策に関する大綱も策定されました。
その大綱の中では、「現在から将来にわたり、全ての子供たちが夢や希望を持てる社会を目指し、子育てや貧困を家庭のみの責任とせず、子供を第一に考えた支援を包括的・早期に実施する」ことを目的とし、基本的方針として、「①親の妊娠・出産期から子供の社会的自立までの切れ目のない支援、②支援が届かない又は届きにくい子供・家庭への配慮、③地方公共団体による取組の充実」を掲げました。
令和3年4月21日時点で、県内では、福岡市、春日市、大野城市、筑前町などを始め24市町が計画を策定しています。
そこで、質問項目1、法改正で策定が努力義務化された「子どもの貧困対策計画の策定状況」について、市内の子どもの貧困の状況も含めて執行部にお尋ねします。
次に、2つ目の項目です。
まず、現状ですが、私は市民の方から、「子どもの貧困の担当がいないのは何故か」と聞かれた事があります。
また、子どもの貧困対策は、所得の状況を把握する市民生活部の税務課や国保年金課、健康福祉部の子育て支援課や保護課など部をまたいだ連携が必要となってきます。そのため、自治体によっては、条例を制定して子どもの貧困対策部を設置し、部をまたいだ連携をするための担当を置いているところもあります。私が自費参加の勉強会で研修に行ったある東京の区では、現場経験のある職員を子どもの貧困対策担当として配置し、区の既存の政策パッケージを最大限活用し、行政が積極的に働きかける、いわゆるアウトリーチ型の支援を貧困家庭に行ったところ、子どもの貧困が改善したという効果があったそうです。筑紫野市でも同様の取り組みを行うべきではないでしょうか。
そこで、質問項目2、「子どもの貧困対策を所管する担当を設置すべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。
次に、3つ目の項目です。
まず、現状ですが、子どもの貧困対策に関する大綱の中で、生活困窮世帯等への学習支援として、「生活保護世帯の子供を含む生活困窮世帯の子供を対象に、生活困窮者自立支援法に基づき、子どもの学習・生活支援事業を実施し、学習支援や進路選択に関する相談等の支援を行う。」とあります。この事業は、すでに福岡県、そして17の市で実施されており、周辺では、春日市と朝倉市は直営、那珂川市はNPO法人ワーカーズコープに委託するという形で行われています。
次に、課題ですが、市内の生活保護世帯で、親は病気で働けず、子どもは小学校低学年から不登校で、適応指導教室にも通えず、当然フリースクールに通うお金もないので、高学年になっても家にずっと一人でいるケースもあるそうです。このようなケースでは、子どもの学習権が保障されていないともいえるので、どうにかならないものかと思います。今、一例を上げましたが、公立小中学校の不登校の生徒数から、フリースクールや適応指導教室に行っている児童の人数を引けば、地域には支援を受けられていない子どもがいることはわかるかと思います。以前、引きこもりの件について一般質問した時にも言いましたが、不登校から引きこもりになるケースもあるので、できるだけ早期の介入が必要です。
そこで、質問項目3、貧困の連鎖を断ち切るために「生活困窮者自立支援法に基づく子どもの学習支援事業を行うべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。
次に、4つ目の項目です。
まず、現状ですが、子どもの貧困対策に関する大綱の中で、平成29年の調査と少々古いですが、ひとり親世帯で食料を買えない経験があるのが34.9%、子どもがいる全世帯で見ると16.9%にものぼり、いわゆる絶対的貧困のレベルに陥りつつある世帯もあることがわかります。そして、コロナ禍でこの問題はさらに深刻化しているのが現状です。
令和3年3月に策定した第2期福岡県子どもの貧困対策推進計画では、令和2年10月~12月にかけて、筑紫地区の子ども食堂において、子ども食堂及びフードパントリーを利用した子どもへのアンケート調査が掲載されています。その中で、「自分の家にいるときが安心できない」、また、「自分の家以外に安心できる居場所がない」状況に置かれている子どもが一定数いることから、子どもが地域のなかで安心して過ごせる居場所を確保していく必要がある、とあります。最近は、子ども食堂の事を地域食堂と呼ぶ場合もあるそうなので、親や地域の人も参加することを想定して、今日の質問では子ども食堂ではなく地域食堂と言います。
筑紫野市でも地域食堂は行われていますが、市との連携は行われておらず、ボランティアの方の交通費等の補助もありません。まず、行政と連携から始め、交通費等の補助から始めるべきでなないでしょうか。単に子どもに食事を提供するだけでなく、子どもの居場所づくりとしても有益です。
また、私は、「子ども宅食」も導入するべきだと考えます。「子ども宅食」は、生活に余裕がない子育て世帯に食品を届ける取り組みです。例えば、東京都文京区で行われている「子ども宅食」は、児童扶養手当や就学援助を受けている世帯向けに、区に集まったふるさと納税の寄付金や食品メーカーの寄付を財源に、運送会社が配送するものです。これは、LINEで申し込みができるので、人目を気にする必要がありません。他の例では、NPO法人などの市民社会組織(CSO)を誘致している佐賀県では、ふるさと納税を活用し、使い道を県指定のCSOに限定でき事務経費5%を除いた95%がCSOに入るという仕組みで、ふるさと納税を使って活動資金を集めて「子ども宅食」を行っています。いわゆるガバメントクラウドファンディング型ふるさと納税です。
また、私はコロナ禍で給食がなくなった子ども達のために地域の飲食店を「地域食堂化」する茨城県境町の取り組みを行うべきだと考えます。ふるさと納税で募った寄付金を原資に、離れたところにいる人に食事をごちそうできる「ごちめし」というスマートフォンアプリを活用し、情報を得た子ども達が無料で500円相当のテイクアウト弁当を食べられるという仕組みです。これは、子育て家庭と地域の飲食店の双方を同時に支援できる「境町モデル」とも呼ばれている画期的な取り組みです。
そこで、質問項目4、今述べたような形で「子ども宅食・地域食堂の支援をすべき」ではないでしょうか。現状も含めて執行部の見解をお尋ねします。
【答弁要旨】(答弁者:健康福祉部長)
第1項目から第3項目は関連がありますので、一括して答弁いたします。
子どもの貧困状況については、生活保護、就学援助の状況から、厳しい状況であると認識しており、地域福祉計画を始めとする各種計画の貧困対策の推進と連携を充実させるため、令和2年度に「筑紫野市地域福祉計画等推進庁内委員会」の下部組織として、子どもの貧困対策専門部会を設置し、2回の会議を行いました。生活困窮者自立支援事業を実施している保護課を所管課として、子育て支援課や学校教育課など、関係課との情報共有や連携を密にした相談支援体制を構築しています。
生活困窮者自立支援法に基づく学習支援についてですが、対象者を生活困窮世帯に限定し実施するには、人権的配慮や交通手段の確保など、課題を解決していく必要があります。
このようなことから、子どもの貧困対策推進計画の策定及び学習支援などの対策事業につきましては、専門部会において情報収集や課題の把握を行い、効果的な事業の推進について研究をしてまいります。
次に、子どもの宅食・地域食堂への支援についてですが、地域や団体が地域食堂を運営し、地域の居場所づくりの一翼を担っていることは認識しております。行政による支援につきましては、子ども宅食と併せて、専門部会において先進事例を調査してまいります。