だんした:次に、質問題目2、「子どもの命を守る政策について」です。
コロナ禍において、虐待は増え、子どもの自殺も増え、また子どもの命を預かる保育の現場でも感染防止対策で負担がかかっています。そのような中で、今回の質問は、市の現状と課題というよりも、今後の筑紫野市の子育て支援はどうあるべきか、そしてどのようにして子どもの命を守るべきかという観点から質問いたします。
まず、1つ目です。現状と課題ですが、報道でもある通り、児童虐待で傷ましい事件が起き、幼い命が失われるケースが生じています。しかし、幼児は自らの虐待を説明できず、学齢期でも親から口止めされたり庇ったりして虐待の痕跡を隠そうとしたり、親が自分でぶつけたなどと流暢に説明されると、職員も納得してしまったりしがちです。また、児童相談所などの行政機関が傷や痣を把握しながら一時保護につながらず、幼い命が失われるケースが後を絶ちません。
そのような中で、注目されているのが児童虐待に法医学者を関与させようという取り組みです。法医学者はどちらかというと遺体解剖のイメージが強いかと思いますが、傷や痣から原因を特定する専門性を生かし、虐待が疑われる子どもの早期保護や支援につなげようというものです。具体的には、病院や保育施設から通告を受けた児童相談所が判断に迷ったら、法医学者に傷の写真を見てもらったり、目視で確認してもらい科学的な見解で判断してもらい支援や保護を始めます。福岡市の児童相談所や、久留米、大牟田児童相談所でも年に数件、今述べたような取り組みを行っています。先進自治体では、今述べたような法医学者による虐待の専門外来を設置しているところもあります。
児童相談所は、県や政令市、中核市などの管轄ですが、市としてもできることはあると思います。筑紫野市でも、子育て支援課を事務局として、虐待を受けている子どもや、要保護児童の早期発見による情報の共有化や、適切な支援を行うことを目的に、児童相談所、保育園や学校、警察など各行政機関が構成員となって、ほっと・ネット・ちくしっ子(筑紫野市要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協)が設置されています。
そして、改正児童福祉法では、2022年から全ての児童相談所で医師の配置を義務付け、閣議決定でも児童相談所と法医学者との連携強化を掲げています。小児科医や外科医では、傷跡から受傷の経緯を分析するのは難しいので、児童相談所で配置される医師は法医学者であるべきだと思います。法医学者は本業においても人手不足の中で、市として、周辺市と連携しながら、この要対協の中で児童相談所で法医学者の設置は行われるよう求めているのか。そして、それは確約されているのか。確約されていないなら、2022年より前倒ししてでも、この筑紫地域の児童相談所へ法医学者の配置を求めるべきではないかと私は思います。
そこで、質問項目1、「虐待早期発見に法医学者の積極的な関与をするべき」ではないでしょうか。執行部の見解を求めます。
健康福祉部長答弁 所管:子育て支援課
初めに、虐待早期発見への法医学者の積極的な関与についてですが、児童相談所におきましては、事案に即して、大学病院の法医学者などと連携を図り対応がなされているところです。
児童虐待の早期発見には、法医学者の関与が重要であると思いますので、2022年以降の常勤医師の配置の在り方について、その動向を注視してまいります。